【浴衣洗濯】浴衣のホームクリーニング~バスタオルで脱水機♪ きりまる流「浴衣・襦袢の洗い方」
お家でお手入れが難しい高級浴衣(絹紅梅や奥州紬)は、一夏着てから専門店にお手入れに出すことをおすすめしますケド。
お家で洗えるタイプの「綿・麻・交織」などの浴衣は、着たらすぐに自分で手洗いしちゃいましょう~
ずぼらなワタシの「お家で洗う!浴衣のお手入れ」をご紹介します♪
1:まず最初に、水洗いできる浴衣かどうか?確認しましょう
※家庭で手洗いする場合、品質表示に「手洗いマーク」があること、もしくは綿100%など「水洗いできる!」と確証のあるものにしてください。 これは浴衣だけではなくて、化繊の着物でも言えることですけど。
ワタシは「洗えるだろう」とたかをくくって、安易に水でジャブジャブ・・・としたら、見事に縮んでしまった!とか、色が落ちて大変だった!・・・等という経験が何度もあります。(着れなくなって、捨てることになりました)
プレタ(出来上がりの市販品)の場合は、お洋服と同じような品質表示のタグが付いていると思います。 購入時には、パッケージにもシールが貼ってあったりしますので、良く確認しておきましょう。
お誂え(反物から作ってもらった)の浴衣の場合は、証書(反物の端っこ)に素材が書いてあることもありますので、証書は捨てずにとっておいてね。
いただき物の浴衣など素材もお手入れ方法も不明の場合は、「水洗い可能」の自信がなければ、クリーニング店にお願いしましょう。
クリーニング屋さんにお願いするか? 呉服屋さんや悉皆屋さん(和服専門店)にお願いするか?
判断が難しいところですが、高価な高級浴衣は、専門店にお願いした方が無難です。 お手入れのお代は高くなりますが、仕上がりは断然違います。
以前にも書いていますが、ワタシは「絞りの有松浴衣」を普通のクリーニング屋さんに出して、糊付け+アイロンがけされてしまって、マジで泣いたことがありますから!!
数年前にも、綿絽の浴衣を「バリバリに糊付け」されてしまい、テカテカにテカリが出ちゃって、ひゃーっ!!とビックリしたことがあります。
すぐに別の店に出し直ししましたが「糊がキツすぎて、どうしても残る」ということで、白い小さな点々付きで帰ってきました。(糊なので、濡らせば取れますが) 最初の店が1500円くらいで、次の店が3000円くらいでしたので、初めから専門店に出せばよかったと後悔しました。
でも自宅でも洗えるかも?レベルの浴衣であれば、専門店で高値を払うのは勿体無いような気がします。 普通のクリーニング屋さんなら、1000円~1800円くらいで済むと思いますから。(高級浴衣とみなされると、クリーニング店でももっと高くなります)
なので、毎年買い替えて愉しむくらいの「お手頃価格の浴衣」なら、自宅もしくは普通のクリーニング屋さんへ。 とても大事な着物で、そうそう買えないようなお値段のモノなら、専門店へ・・・というのが、ワタシの判断基準です。
2:衿・袖口・裾など、部分的な汚れをチェックします。
自宅で洗濯する場合、主な目的は汗抜きなので、基本的には「漬け洗い・押し洗い」で良いと思います。
ただし、衿の汚れや食べこぼし等で部分的な汚れを作った場合などは、浸け置きでは落ちませんので、部分洗いをする必要があります。
衿の汚れ
一番汚れるだろうと思われるのが衿ですね。 ファンデーションとか衿垢とか。
ゴシゴシこすってしまうと、生地が傷んで毛羽だったり、色が抜けたりしますので、気をつけて行ってください。
こすっても大丈夫そうなら、普通にYシャツの衿を部分洗いする感じで良いと思います。
袖口・袂・裾など
食べこぼし・飲みこぼしがあった場合には、胸や前巾部分をチェックします。
その他で汚れやすいのは、袖口・袂・裾部分です。
1回着たくらいでは、袖口が垢汚れすることは無いと思いますけど、袂は知らない内に汚れがついていたりしますので、確認してください。
裾汚れは、階段を登る際に自分で踏んづけちゃったり・・・埃っぽいところを歩いた際に汚れます。
雨の日には、ドロハネしていますので、すぐにお手入れしてください。
汗ジミが出やすいのは、脇の下の「身八つ口」部分ですけど。
汗ジミは、すぐに黄色くはなりませんので、わかりにくいです。 ですが、数ヶ月で色が変わってきますので、汗抜きは大事です。
(浸け置き洗いで良いと思います。)
3:たらいやバケツに洗剤を入れて、軽く押し洗い。すすぎ回数が少ない洗剤で!
洗濯液にドボン・・・と漬ける前に、目立たないところで「色落ち・色移りの確認」はしていただきたいと思いますが。
例え色落ちしたとしても、色移りはしないようなら、ワタシは洗ってしまいます。
わかります?↑結構、水が青くなって・・・色が出ちゃっていますけど、白い部分に色移りはしませんでした。
使用した洗剤は、次の記事でご紹介させていただきますが、極力「漬けておくだけで良い」と書いてあり「すすぎ回数の少ない洗剤」を選んでください。 あまりブクブクに泡立ってしまうと、すすぎを繰り返すうちにグチャグチャになってきて、せっかく畳んで押し洗いした意味がなくなり、洗濯機に突っ込んだみたいになってしまいますから!
4:脱水はバスタオルで包んでから、洗濯機で!
お家で浴衣洗いの最大のポイントはココです!!
この方法は、骨董市で顔なじみになった「とても着物に詳しいお客さん」に教えていただきました♪
バスタオルは乾いたものを使います。
万一、色移りしても良いように上等なバスタオルは避けてください。
バスタオルで色落ちするなんてものはないとは思いますが、着物に色や柄がうつらないようにしてくださいね。
例えば、マジックで名前を書いたタオルとか・・・そういったものは危険ですので使わないようにしてください。
バスタオルの包み方は適当で良いですが、あまり小さいタオルだと脱水中に解けてしまう気がしますので、十分な大きさのものを選んでください。
洗濯機に入れたら、そのまま脱水。 ウチの洗濯機の脱水コースは、最短1分なので1分間で回しています。
脱水が終わった後は、このとおり♪
くちゃくちゃにシワにならずに、いい感じで脱水できます。 洗濯ネットに入れるより、こっちの方がしわにならずに水分もしっかり切れます。
5:竿に干す
脱水の後は、竿に干します。
着物の本を見ると「日陰干しで!」と書いてありますが、ワタシは、ベランダに干してしまっています。
日光による日焼けが心配な場合は、日陰に干してくださいね。
干す時には、竿で干した方が後が楽です。
本当は、下までストンと干せるのが良いと思いますが、物干し台の都合上、ワタシは2つ折りにしちゃっています。
パリッと仕上げたい時には、ここで糊をスプレー(霧吹きで可)すると良いそうですが、ワタシはクタクタな方が好きなので、糊付けはしていません。
6:アイロンで整える
バリバリに乾く前に、アイロンでカタチを整えます。
はじめに裏から当ててみて。(目立たない場所で)
変色したり、妙にノビたり・テカったりしないようなら、表から当ててしまっています。
裾・衿下あたりから始めて、袖・身八つ口・衿回り・・・とアイロンをススメますが。
ある程度かけたら後は畳みながらアイロンを当ててカタチを整えます。
完全に乾いてからアイロンをかけた場合には、そのまましばらく置いて、仕舞って良いと思いますけど。
少し湿った状態でアイロンをかけた場合には、衿の部分がちゃんと乾いていないので、もう1度広げて風に当てて乾かします。
この場合、衿以外は乾いていますので、室内の風通しの良い所にハンガー掛けで大丈夫です。
本当は、着物用のハンガーが良いのですけど。
着物ハンガーが無い場合には、ハンガーのアトがつかないように、タオルやパッドで保護をします。
ワタシは、古いブラジャーのパッドを利用していますけど(笑)
肩パッドとか、ミニタオルとか、着物の肩先にハンガーの出っ張りでアトがつかなければ大丈夫です。
しっかりと乾いたら、天気の良い日を選んで仕舞ってください♪
★同じ方法で、ワタシは襦袢も洗っちゃいます。
今回洗っているのは「手洗い可」となっている綿・麻の浴衣ですけど。
ワタシは、長襦袢なら正絹でも同じ方法で洗ってしまっています。
特に、二部式なんかでしたら、迷わず自宅で洗っちゃいますねーーー!!
時々、正絹の高級な長襦袢の場合は、水洗いで手触りがひどく変わってしまうことがあるので、大事な襦袢はやめた方が良いです。
フォーマル用の上等なものは専門店にお願いするとして、麻や交織の夏の襦袢や、二部式に加工した正絹の襦袢を自分で洗います。
長襦袢でしたら、多少変なところにシワが残ってもあまり気にならないので、干すときにもわりと適当な感じです。
アイロンでキレイにノビますしね。
・・・ということで、きりまる流の自宅での浴衣・襦袢の洗濯方法をご紹介させていただきました。
繰り返しますが、大事な着物は専門店にやっていただくのが1番です。 ご自宅でのお手入れは、あくまで自己責任でお願いしたいと思います。
次の記事では、今回ワタシが使用した洗剤と本日購入した洗剤をご紹介させていただきます。
着物雑誌「七緒」のバックナンバーから、浴衣のお手入れについて書かれている号を探してみましたので、こちらも合わせてご紹介いたします。