【こどもの浴衣】浴衣の肩上げ
子どもの浴衣と肩揚げについてです。
子ども用の浴衣は、肩上げ・腰上げをして、お子さんに合ったサイズに縫い上げてから使用します。 ぴったりサイズの浴衣なら、袖を通し、付紐を結べば、あとはふわふわ・しゃらしゃらの兵児帯(三尺)をするだけで、かわいらしい浴衣姿のできあがりです!
上の写真は我が家の息子達です。どちらも幼稚園の夕涼み会で撮った写真と思います。 青い浴衣は、大人の浴衣を解いてワタシが縫ったんですよ。 H5・H7年生の彼らは、今はもう社会人! 懐かしい想い出の写真です。
『ゆかた特集』子どもユカタの肩揚げ腰揚げについて
※肩揚げ腰揚げについて、更に詳しく書きました。↓こちらのページもぜひご覧ください♪
肩上げについて
「肩上げ(かたあげ)」とは、子どもの着物の裄 (ゆき) の長さを調節するためにとった肩のつまみ(タック)=肩揚げ(肩上げ)については、別のページに移動しました。 こちらで詳しくご覧ください。
肩上げの上げ方
まずは、簡単に♪ 正式な上げ方ではありませんが、あまり面倒な作業はしたくはありませんし、 市販品は最初から肩上げが上がっているのですから~
せっかくなのでそのまま活かして、サクっと上げてしまいましょう!!
どれだけ上げたら良いのか?
お子様の裄(ゆき)と着物の裄を測って、上げ幅を計算します。
お子さんの裄丈を測ります
背骨のグリグリから、45度角度で手をおろして手首のグリグリまで。 骨が隠れるまでと書きましたが、ゆかたの場合は、骨の真上くらいがちょうど良い気がします。
※上の写真は姪っ子ですが、裄は36センチありました。
着物(浴衣)の裄を測ります。
着物の背縫いから、袖口までを測ります。 この浴衣の場合、裄(ゆき)は約40センチありました♪
着物の裄丈-お子さんの裄丈=長い分(上げたい分の長さ)です。
上げしろの1/2を、元の上げより奥に入るようにつまんで縫います。
縫い目は、並み縫いやひと目落としでも構いませんが、「ふため落とし」で縫うのが一般的です。
肩上げを縫うのは、「袖付け止まり~袖付け止まり」までですが、元々縫ってある場合は、同じ長さで良いと思います。
上げ方・縫い方は、基本的に七五三の祝着と同じですが、既製品の肩上げは、普通のミシン縫いになっていたり、しつけのような仮縫いのこともよくあります。
子ども浴衣の肩上げを縫ってみました♪
あまり上手ではありませんが、二目落としで縫ってみました。
ちょっとわかりにくいですが 「表にチョンチョン、裏にザク・・・表にチョンチョン、裏にざく・・・」 と縫う針目。
ハイ、2センチつまんで4センチ上げたことで、だいぶイイ感じになりましたよ~ (まだちょっと長いですけどね)
2WAY(2部式)浴衣を長く着る♪
普通の浴衣の場合には、腰上げといって「丈」も調節しないといけませんけど。 今回姪っ子に来てもらった「2WAYゆかた」の場合は、中がサンドレスになっているので、肩紐で簡単に調節できるのが便利です!
撮影時、普段80~90サイズの服を着ているという姪っ子(約2歳2ヶ月)でしたが、 あえて100サイズを購入しました。
サンドレスの丈は長めでもかわいいので、裄を4センチ調節することで、ジャストサイズで着れるようになりました。(*写真は肩上げを直す前に撮ったものなので、裄が長すぎですが) 来年、再来年と成長に合わせて肩上げを直していけば、あと数年は着れそうです~♪
次に肩上げを直す際も、お子様の裄が元の着物の裄40センチを超えない限り、最初の縫製はほどかずにその縫い目の脇で、縫い目を並べて縫うのが楽な方法ですよ。
もしも40センチを超えてしまったら?!
肩上げ山から、出したい分÷2の位置で縫い、元の縫製を解くのが良いでしょう。
あまり大きなものを買ってしまうと、調節するのも大変だと思いますけど。 「 1サイズ~2サイズほど大きめサイズを買って、肩上げ・腰上げで長く着る!」というのはおすすめです。
※上げをする際、あまり早い時期に縫ってしまうと当日までに背が伸びてしまって、「いざ着せてみたらツンツルテンだった。」ということもあります。 サイズ調整される場合は、ある程度「使用時期近く」になさることをお勧めします。
腰上げの仕方は、七五三のお祝い着で説明をしていますので、こちらへどうぞ♪
◆ゆかた特集◆肩上げ腰上げ
ゆかた特集ページにも、肩上げ腰上げについて書きました! 併せてご覧ください。 手順のイラストをPDFで掲載しています。
・本ページでご紹介している肩上げの方法は、簡単ですが正式な上げ方ではありません。
本来は「上げ山の位置は肩幅の真ん中で、前身ごろは袖付け止まりに向かって1cm程度内に入り、後身頃はまっすぐ縫う」などといった、少し面倒な縫い方になります。
・目落としの縫い目は、もう少し細かく縫うべきですし、糸は着物の地色と同系色で2本どりが一般的なのだそうです。
・すでに縫ってあるものを解いて肩山をずらすと折り後が消えずに見た目が悪くなる場合があるので、サイズの調整がつくのであれば「上げ山は、ずらさないで縫う方が良い」と思います。
・普段着として着る浴衣なので、短時間ですぐにできる簡単な上げ方で充分だと思いますが、正しい縫い方は、上記の「◆ゆかた特集◆肩上げ腰上げ」でご覧ください。
当サイトのベルメゾンネット浴衣・関連記事
正しい肩上げ・参考となるサイトさん
正しい肩上げの仕方を、わかりやすく説明されている店舗さんを見つけました。
より詳しい肩上げの方法は、京の初着屋楽天市場店さんのページでどうぞ
【ちょっとおまけ】ウールの着物の肩上げ~実例
子どもの用のウール(毛100%)の被布付き着物です。 サイズは100で、3~4歳用となっていました。
ウール着物の肩上げ
赤いウールの被布セット。肩上げは、すでに上がっていました。(市販品です)
よく見ると、あれ・・・?! 縫い目が一目落とし・・・??
浴衣はミシン縫いだったので、二目落としでなくても気にはなりませんでしたが、 手縫いでも針目が違うことってあるんですね~♪
ということは。
やっぱり、肩上げの針目って、そんなに気負わなくてもいいのかも。
見る人がみれば「あれ?」と思われちゃうかもしれませんが、一番肝心なのは見てくれではなく、当の本人である「お子様」がいかに着やすいかということですもんね!!
【おまけ・その2】こどもの浴衣|下着と履物。
浴衣の下には、タンクトップやキャミソールを着せて、汗取りをしてあげてくださいね。
最近のお子さんは、ビーチサンダルのような鼻緒のある履物を履かなくなってきていますので、足指に鼻緒を挟むことを嫌がるお子さんが多いです。
花火大会や幼稚園のお祭りなど、浴衣姿になるご予定のある場合は、早めにビーチサンダルや下駄を履いて練習しておくと良いですね。 まめができるようなトラブルも防ぐことができます。
遠出をなさる場合は、念のために履きなれたサンダルを持参しておいた方が無難かも。 無理をせず「浴衣にクロックスでも~」くらいのおつもりで、お出かけください~☆