【七五三の着物】腰上げ・おはしょりが長すぎる&柄が隠れる時は?

読者さまより「「着物屋さんで買った時晴れ着を腰上げをしてもらったところ、柄が隠れてしまったので、ほどかずになんとかする方法を教えてください」・・・というような内容のメッセージをいただきました。

おはしょり長さ

やって見たので、ご紹介しますね!

腰上げ・おはしょりが長すぎる時は?

ご質問の文章から、どのようなお着物なのか?が、良くわからなかったのですけれど。

たぶん、七五三の7歳さまのお衣装についてではないか?と想像しますので、7歳祝い着のおはしょりが長い場合(腰上げのおはしょり含む)や、柄が見えない(おはしょりで隠れてしまう)場合のおはしょりの対処について考えてみました。

こちらは↓7歳用の祝い着です。
7歳祝い着

着物の上前に描かれた柄が、おはしょりで隠れてしまった・・・というのは、こういうことなんだと思うんですけど。
おはしょりが長い

下の画像の着物では、腰上げとして縫っていませんし、おはしょりの長さも大して長く取っていませんので、あまり良い見本ではなくすみません。 イメージとして御覧いただければと思います。

既存の揚げを解かずに、おはしょり(おたぐり)を短くする。
(腰上げを上にもちあげる)

・おはしょりの輪の部分に指を入れて、指を上に引き上げるように垂れている部分を短くして。

上へ上げる

・余りを帯の中で隠れる位置に持ってくる⇒白線の上の位置を伊達締めで押さえる。

おはしょりを引き上げる

仮に、腰上げを縫ってある位置が下過ぎた(緑線)としたら、揚げの糸を解かない訳にはいかないですね。 でも、縫い位置を上方向へずらして縫い直す(ピンクの線)だけでも、かなり柄の出方は変わってくると思います
縫い位置を上げる


今回は腰上を解かずにいうことなので、おはしょりを短くする(上へ引き上げる方法)が良いのではないかしら?と思いました。
 

【参考】「腰紐」で着つけた場合で、おはしょりが長い

下の画像は、腰上を縫わずに「腰紐」で着つけた場合で、おはしょりが長い・・・と仮定した場合です。(大人用のボディに7歳の着物を着せているので、ちょっと見た目が変ですけど)
おはしょりの長さ

 このおはしょりを、紐の位置はそのままで上に持ち上げて、伊達締めで抑えると↓こんな感じで、おはしょりを短くすることができますデス。
おはしょり

 昔は下前のおはしょりを上げて1枚にせずに、そのまま2枚(上前・下前とも)を下におろしたままで着つけたそうなので、おはしょりを長めに取るのが当たり前だったようです。(子どもの祝い着の着付けの場合)

なので、柄が多少隠れてしまっても、それが自然だったようですけど。

昨今は、写真館でキレイに写真を撮る為に、成人式の振袖のように、おはしょりもすっきりと中で折りあげて1枚にします。 おはしょりの長さも短めに着付けるように変化してきていますので。

呉服屋さんが腰上をしてくださったのなら、そのままでもおかしいということはないのでは?」とは思いますケド。

この頃の流行りで、短いおはしょり(柄をたくさん見せたい)ということでしたら、少し引き上げるとよろしいのではないでしょうか?

腰上げを解き、腰紐で対処する場合

おはしょりが長すぎる』というのは、身長に対して着物が長すぎる場合に起こります。『柄が隠れる』というのは、腰紐の位置が低すぎることもあり得ます。

柄をいっぱい見せて脚長に着つけるには
⇒腰紐の位置を上めにする。
腰紐の位置はそのままで、おはしょりを短くするには
⇒1本は腰骨の位置に締める。そしてもう1本、アンダーバストの少し下あたり(上側の位置)で紐をかける。
⇒上記の例のようにおはしょりを引き上げて、伊達締め等でおさえる。

お子さんの身長や体つきにもよりますが。着付けで、足長に見せたり、おはしょりを短くすることは可能です。

みぞおちでギュッと紐を閉めると、気持ちが悪くなっちゃいますし。あまり帯の位置が高いと、それはそれでバランスが悪くなって見えますので。
着心地と全体のバランスに注意しながら、調節をしてみてください。

腰上げ済み・3歳用の祝い着でも試してみました。

 3歳用の祝い着で、腰上げ済みのものがありましたので、こちらでも写真を撮ってみましたが。
三歳祝い着

 3歳用の着物の場合は、被布で隠れてしまいますので、おはしょりの長さは気にしなくても良いと思います。(白地のベストのようなのが被布)
被布

 被布の裾から着物のおはしょりがのぞいてしまうような場合は、おはしょりを上に折りあげて、三尺(兵児帯)またはしごきで隠してしまえばよろしいかと。

上でやった(7歳衣装)のと同じことをしてみました。
3歳おはしょり

 丸印の花柄に注目していただくと、少し上げただけでも、結構柄の感じが変わってくるのが、お分かりいただけるかと思います。
柄の出方

 ポイントは、衿先付近でおはしょりの内側にタックが取られていますので。
おはしょりを引き上げた際に、タックのシワが表側に響かないようにしていただくことかと思います。

着付けをプロにお願いするのであれば・・・

美容院や写真館の着付け師さんに着付けをお願いするのであれば、事前にお着物をお持ちになって、見ていただくことをオススメします。その際は、必ずご本人(お子様)とご一緒にご来店になってください。 腰上げをしていただいたのが、最近のことであれば問題ないかと思いますが、半年くらい前の身長で上げていますと、もしかしたら、すでに短くなっているかもしれません 3歳さんの場合でしたら、腰上は縫った方が必要だと思いますが、7歳さんは、腰紐でお着付けされる方も多いです。

一度仮着せしていいただいて、裄と着丈のチェックをしてもらってください。
おはしょりの長さについても、慣れた着付け師さんでしたら、着付けで対処して済ませてしまうかもしれませんから。

ちなみに、5歳児(3歳児)用の男児向けお祝い着の場合は、長着は無地(または小紋)ですし、袴をはいてしまいますので、おはしょりの長さは問題になりません。

おはしょりを取らずに、そのまま腰紐をしめて、まくりあげて紐に挟み込む(やっこさんみたいな感じ)という着付けでも構わないのです。

柄が隠れるのは、初着(お宮参りの掛着)の身上げをした場合です。 その場合は、袴で背中の柄が半分隠れてしまいますけど、それが普通なので大丈夫です。(半分隠れていてもOK。) 気になる場合は、別途、羽織を購入されるか、レンタルなさると良いと思います。
どのみち、掛着(長着)の柄は見えないことにはなりますけれど。。。

以上、ご質問の内容を、当方の想像で対処法を書かせていただきましたので、検討違いでしたらごめんなさい。

他にももっと良い方法があるかもしれませんが、ワタシでしたら、上記のような方法を取ると思います。 何かしらのご参考としていただけましたら、幸いです。

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