【色喪服】色無地+黒共名古屋帯の略喪服。49日を過ぎたら半喪服でもいい? 遺族の納骨式の着物とは?!
先日、実父の納骨式で色喪服を着ました。
遺族の服装は、一周忌までは「喪服(和装なら黒喪服)」というのが一般的なようですが、地域によっては「49日以降は略喪服(和装なら半喪服)」というところもあるようです。
では、ワタシの父の納骨式の場合は?……と調べたことを、覚書として書いておきます。
色喪服とは?!
色喪服というのは、寒色系(渋い色)の色無地に、黒共帯を合わせる略礼装の喪服です。
色喪服の他、半喪服・略喪服などとも呼ぶようです。
弔事用の装いを、洋装を意識して分けてみると【正喪服・準喪服・略喪服】という3段階の格がありますが、色無地の着物を使うのは正喪服以外の場合になります。
帯を喪帯にするか?色喪帯にするか?などで、準喪服・略喪服と格が変わってくるようです。
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色喪服の色(色無地の着物の色)
着物の色は、紫・紺・グレー・ダークグリーン・藤ねず色など。 寒色系の色であることが原則ということですが、本によっては、茶色やエンジも良いと書いてありました。
未婚のお嬢さんに限り、あずき色(濃いめのワインカラー)も良いと書いた本もありましたけど、大人の女性はやめておいた方が無難でしょうね。
ワタシが着ている着物の色は、藤ねず色をもう少しグレー寄りにしたような色になります。
色喪服の生地(色無地着物の地模様)
色喪服の生地は、光沢のないものを選びます。 縮緬ですとか、吉祥柄以外の地模様のものです。
ワタシの着物は、花柄の地模様でした。 四君子(蘭・竹・梅・菊)だとおめでたい柄になっちゃいますが、桔梗や菊、梅?なんだかよくわからないような花の柄でした。 ※できれば地紋ない、もしくは吉兆を選ばないものがよいですね。 花の地紋は避けるべきだったなーと後から思いました。
色喪服の紋(色無地着物の紋)
正式には「染め抜きの一つ紋を付ける」そうですが、染め抜き紋を背に付けてしまうと色無地の着物としては格が高くなり、着用の場が狭くなってしまうことから、最近では「縫い紋」を勧められることが多いですよね。
色喪服を着るシーン(立場や場面)によっても違うかもしれないですが、「ハクビ・きものの教本」では『縫い紋でも無紋でもさしつかえないでしょう』ということでしたよ。
ワタシの色無地は、縫い紋の表紋(日向紋)です。 リサイクル品なので、ワタシの家の紋ではありません。
◆たかはしきもの工房さんのサイトに次のように書かれていました。
「正礼装の場合は「日向紋」である必要があるそうです。 ただ、刺繍はNGで染め抜きである必要があります。」
なるほどですね。 今更ですが、刺繍の紋は避けて、染め抜き日向紋の色無地にした方が良いと思いました。 父の納骨からしばらくして、濃グレーの縮緬地の色無地が箪笥から出てきました。(染め抜き日向紋の1つ紋入り) ああ・・・ワタシ、この着物と間違えて着たんだ!と思いました。
パパ、場違いな着物を着てしまって、ごめんなさい!
※2023.07.05 加筆
昨今では、慶事でも弔事でもレンタル着物が増えているので、家(家族・親族)が良いというなら、紋は気にしなくても構わないと思っていますケド。
色無地の着物じたいは、購入時に「弔事でも使える?」と確認して買っていますので「色喪服として着用して問題ない」と思って着ました。(前述しましたが、多分ワタシ、手持ちの着物を取り違えてしまったようです)
遺族の納骨式に色喪服はアリなのか?
遺族の服装は、一周忌までは「喪服(和装なら黒喪服)」という常識で見たら「ナシ」ではありますが、49日を過ぎていれば色喪服で構わないという地域もあるということなので、実家の母(葬儀の時の喪主)に電話で確認してみました。
結論から言うと「あり」でしたよ。
そもそも、納骨式の段取りをした長男(ワタシの弟)からは、「平服で」という連絡をもらっていました。
法要(お坊さんの読経のある法事)で言うところの「平服」は、略式喪服=通夜の装いを言うそうです。 つまり「黒やグレーの地味な服装であれば、喪服じゃなくてもいいよ」ということですね。
弔事のマナー特集などを見ると、「遺族は一周忌法要までは喪服」となっていますから、ワタシの実家は「ゆるめ」なんだと思います。 たぶん、弟は霊園の方に相談した上で「平服で」と言ってきたのだとは思いますけど。
参列者は、母とワタシの家族(夫・息子たち)、弟家族(長男・次男)、叔母(父の妹)という近親者のみでしたし。 喪主を務めた母でさえ「黒いズボンに黒いタートルネックのセーターでいいかと思ってたんだけど、それじゃあダメ?」なんて言ってたくらいですから。
結局、男性はみんなブラックスーツ、ワタシ以外の女性はブラックフォーマルに近い黒い洋服でありましたので。
今年の八月に亡くなった父の納骨式でしたが、ワタシは色喪服で参列させてもらいました。
色喪服の帯と小物。草履バッグ
1周忌までか、3周忌までか、意見が分かれるところであるようですが。 「準喪服のとしての色喪服」なら、黒共名古屋帯(喪服用の帯)に黒い小物(喪服用の帯揚げ・帯締め)をするのが良いと思います。
長襦袢は白。 半衿も白です。
草履バッグも喪服用です。 黒の布張り抱えバッグに、黒の布張りの草履ですね。(革製でも喪服用なら可)
サブバッグとして持っているのは、「霧夢桜」のリメイクバッグです。 弔事用にと思って、黒喪帯を解いて作ってもらったトートバッグになります。
色喪服のコート
法要はとり行われている間は、外であってもコートは脱ぐべきと思います。 12月であったとしても、コートを着たままで、お坊さんにお経をあげていただくのは失礼ですよね~
霊園・墓地で着ていて違和感のないコートならば、移動中や待ち時間の間でだったら良いだろうと思いましたので、着て過ごしました。 光沢感のないウールのコートです。
今流行りの長め丈コートではないですが、そんなに短くもないのでおかしくはないですよね? 衿も道行衿に近い形で、購入時(リサイクル)に「礼装で使って良い」と聞いたような気がしています。
なんで?わざわざ着物で納骨式に行ったのか?
通夜も葬儀も法要も。 最近は喪主の方でも、和装の喪服をお召しになる方はとても少なくなっているようです。
父の葬儀は8月でしたので「絽の夏物」の喪服を着なくてはいけませんでしたが、母もワタシも正喪服(黒い絽の着物に、黒い絽の帯。黒い夏用の帯揚げ帯締め)を着ました。
単純に、ワタシが着物が好きだから……というのもありましたけど、。 ワタシの結婚式に「黒紋付に袴」で出てくれたり、姪っ子(父から見て孫)の七五三でも着物を借りて写真を撮ったりしていた父でしたから。 洋服ではなく、和装の黒喪服で送ってあげたいという気持ちもあったのです。
さすがに喪主である母が洋服にするというのでしたら、ワタシも着物はやめておこうと思いましたけどね。 ワタシの気持ちを汲んでくれたのか? 暑くても嫌がらずに、夏の絽の喪服を着てくれた母なのでした。
ただ1つ、今になって「失敗しちゃったかな?」と思っていることがあります。
それは、告別式は喪主も遺族も黒喪服で良いのだけれど、通夜の席では、喪服を着るのは喪主だけで遺族や近親者は「準喪服(和装なら色喪服)」になるということを知らずに、ワタシも黒喪服を着てしまったということです。
親族だけの「家族葬」でしたから、誰も「おかしい」と思ってはいなかったと思いますけど。 葬儀屋さんや斎場の方から見たら「なんで娘も通夜に喪服?」と思われていたかもしれないですね。
でも、通夜の遺族で、色喪服着ている人なんて見た事ないしなあ~ 遺族も黒喪服を着ていたのは見たことがあるような気がするんだけど、違ったかしら?
今度、葬儀の仕事をしている友人に聞いてみようと思います。
◆着物専門店「あまのや」さんのサイトで↓こんな記事を見つけました。 父と娘は一親等なので、通夜も喪服でいいみたいですね。
「五つ紋の入った黒喪服は、弔事における最も格式の高い礼装です。 通夜・告別式では、一般的に遺族といわれる家族・親族(2親等程度)が紋の入った黒喪服を着用することが多いようです。」
2023-07-05 加筆
弔事のマナーにのっとって喪服を着るのは、亡くなった故人への気持ちとしてあたりまえのことだと思いますけど。 皆が洋服を着るというのに、わざわざ着物を着て行くだなんて、まるでお洒落をして出かけるみたいで不謹慎ではないか?という声もあるようです。
ですが、結婚前に「実家の両親が持たせてくれた喪服を着たい。」という方も、実は多いのではないでしょうか?
ワタシが作ってもらったのは「袷の喪服」だけでしたので、父の葬儀に着た絽の喪服は、自分で用意したものでしたけど。
黒喪服を着ることはできなかったとしても、帯や小物だったら色喪服として使うことができます。 きっと父も喜んで見ていてくれただろうと、自己満足をしているワタシなのでありました。
■本記事を書くにあたって、参考として読んだ本。
- ハクビ京都着物学院・きものの教本
- ひと目でわかる きもの用語の基本 (特選実用ブックス きもの)
- 装道・入門 初修過程・理論編
- 塩月弥栄子の冠婚葬祭事典―伝統のしきたりと平成時代のおつきあい(旧版
- 和装小物のお酒落―保存版きものに強くなる (家庭画報特選)
※その他、ヤフー知恵袋や教えてgooも拝見しました。
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