浴衣着付けのポイント~ハウツー編②~浴衣の衣紋抜きと衿合わせ
浴衣着付けのポイント『どうやったらいいの?』を具体的に~浴衣の衣紋抜きと衿合わせ~
前記事では「浴衣の丈・裾線の決め方(腰紐まで)」を書きましたので、本記事では衣紋抜き・衿合わせで『どうやったらいいの?』というところをご紹介してみたいと思います。
※着付けにはいろいろ流派とか、個人のくせみたいなものがありますが、あくまでワタシ流です。 本や雑誌で掲載されているものと違うかもしれませんが、ご参考までということで♪ あくまで浴衣初心者さん向けの内容です。
衣紋の抜き方
浴衣の衣紋抜きって、どうやって抜けばいいのか?についてです。
着付けの手順的には、腰紐締めた後、衿合わせをする時に衣紋を抜きます。
1:左右の掛衿を合わせて、左手でもつ。
2:右手で背縫いを持って、左右の手を引っ張り合いながら、衣紋がちょうど良く抜けるくらいに調節する。
■画像は腰紐を締める前ですが、紐をかけた後でOKです。(最初にやっても、どうせズレてしまうから)
衣紋抜きの具合は、アップヘアなら拳一つ分くらい。 若い人は狭く・深くを意識してV字イメージで抜きます。 歳を重ねるにつれて、浅く広く・・・と、ゆったり抜くようにします。 抜きすぎると、浴衣下や肌着が見えたり、花魁風になるので気をつけてください。
おはしょりを上げる
1:衿合わせを決める前に、おはしょりを1枚にしてすっきりさせるために、下前の帯〆はしょりを折り上げます。
この時、衿を下に引いてしまうと、せっかく抜いた衣紋が上がって詰まるので、気をつけてくださいねー
※コーリンベルトは、使っても使わなくてもOKですが、お持ちでしたら使った方が楽にできると思います。
下前の「手で持って折りあげる位置(大体アンダーバストのあたり)」に予めコーリンベルトをつけておいて、それから折り上げます。
その際、おはしょりが長い場合には、折り上げた部分がバストトップの上に乗ってしまいますので。 胸の上に折り上げた布が乗ると、帯を締めた時に表にひびいてしまいますから、胸の上には乗らないように下ろしてバスト下におろします。 イメージ的には、脇の下の方へ流す感じです。
衿の合わせ方
おはしょりをあげたら、そのまま衿合わせをします。 コーリンベルトの端は、右脇の身八つ口に仮どめしておいてください。
衿合わせも、体型や年齢で少し変わってきますが、基本は鎖骨の凹みのあたりです。
※ピンクのバッテンラインをイメージしてください。
衣紋が抜けていないと、衿合わせもV字になりやすいので、気をつけましょう。
2:衿合わせができたら、仮どめしていたコーリンベルトを外して、上前の衿に留めます。位置は下前を同じ高さ(アンダーバスト)です。
3:コーリンベルトが留め終わったら、身八つ口の袖付け部分を、前と後ろで合わせてください。 ここがズレてしまっていると、後から脇の下で身八つ口がパカパカと開いてしまいますから。
4:袖付けを合わせたら、背中心を意識しながら、背中に余ったシワやたるみを、脇に寄せます。 脇縫いでタックを取って、前から後ろに倒す感じ。 親指でタックに押しこむようにするとキレイにタックをつまめます。
5:ここまでできたら、胸紐をかけます。 位置はコーリンベルトの少し上。 アンダーバストです。
※写真の衿合わせは、浅いです。 ピンク線くらいが良いと思います。
衿~胸にシワやたるみが出るとだらしなく見えるので、もしもシワがあった場合は、緑線の位置でタックを取ります。 手の親指関節くらいつまんでタックを取るとキレイになると思います。
崩れた時の直し方
もしも、着崩れして衣紋が詰まってしまったら。 やり直すのが一番ですが、それができない場合には、◯の部分を左右一緒に引いてください。 背中心だけで引いても抜き直すのは難しいので、2点で引き下げます。
※この後、おはしょりの長さを調節しますので、できればその前にやってください。 おはしょりの調節をした後は、おはしょりを惹かずにコーリンベルトのすぐ下あたりで引くようにします。
衿が鋭角になってしまった場合は、鎖骨のくぼみで合わせ直して、左の身八つ口から左手で衿をつまんで、左右均等に衿を引き直します。 胸紐の下で引いて、紐を締め直すと良いと思いますが、慣れないと難しいかも・・・です。
胸紐を締めたら、後はおはしょりの長さを整えて、浴衣の着付けは終わりです。
次の記事では、おはしょりが長い場合に、おはしょりを上げる方法をご紹介させていただきます~
着物が着れれば、浴衣も着れます~
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