当サイトは、アフィリエイト等の広告を掲載して収益を得ています。

着物や浴衣を着て、腕を大きく上げて下ろした後にできる「胸脇のたるみ」が、やたら気になるってことありませんか?
身八つ口のひだ

 

多少出るのは仕方がない・・・・・・ってことはわかるんですけど。
帯の上にめっちゃたるんで、すごーくだらしなく見える時があるんですよね。

腕を動かしても、すっきりして見える着物も着物もあるので、一体何が違うのかしら? 着付けも補整も同じようにしているのになー!と、不思議に思っていたんですけど。

先日、ひょんなことから「身八つ口の上にやたらと出て(たるんで)格好の悪い着物」は、何が原因だったのかがわかりました!
ほんの数センチのことなのに、着姿がめちゃめちゃ違ってくるんですよ~

身八つ口のひだ(たるみ)が気になる方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

 

 

きっかけは、自分で仕立てた「浴衣」でした。

和裁教室に通い出して、はじめて仕立て上げた浴衣を着て、花火大会に出かけました。
浴衣着たところ

 

上の写真は、わざと脇を締めて撮っているのでわからないかと思いますが、下の写真ならわかるかな? 脇の下と胸の間にできた微妙なたるみが、帯の上に乗っています。
身八つ口のたるみ

 

「ばっちり自分サイズのはずなのに。 なんで胸の脇に、こんなにたるみができるのかしら?」

最初にこの浴衣を羽織った際には「うわー!ぴったり♪ めっちゃ着やすい~ シルエット、キレイ~」とそう思ったのですが、何度か腕を上げ下げしているうちに、身八つ口が開きやすい&たるみがたくさん出てしまうことが気になってきました。

自分で仕立て上げたばかりの浴衣ですからね。 サイズが合わないなんてことはないので、「なんでなんだろう?」と不思議に思いました。

後日、違う帯で撮った写真が↓こちらです。 ねー? 特に利き手側の胸の脇が、いくら入れてもすぐに出てきちゃうんですぅ~
胸脇のたるみ

 

和裁の先生に相談して、原因が判明しました!

あまりに気になったので。

和裁の先生に見ていただいて、身八つ口の上に大きなヒダができる原因がわかりました!
ワタシ、袖付寸法を間違えていました。 23cm縫うところを21cm弱しか縫っていなかったんですー!!

◆袖付が2㎝長くなったので、その分身八つ口を開いて、下へずらしてもらいました。
袖付と身八つ口

 

袖付というのは、肩山から身八つ口までの「袖と身頃の縫い合わせ部分」のことです。
袖付

昔から袖付の基本寸法は23cm。 身八つ口は15cm(鯨尺でなくcmの場合。)なのだそうですが、ワタシはなぜか?21㎝弱しか袖付寸法を取っていませんでした。

袖付が短いのですから、その分身八つ口の位置も上がる(高くなる)訳で。
なんと!これが、胸元にできる変なヒダの原因となっていたのでしたー!!

袖付が短いと、身八つ口ヒダが大きくなる理由。

もう1枚、以前から「なんか、この着物、胸元がだらしなく見えるなー!!」と思っていた色無地を出して、袖付寸法を測ってみると。
なるほど、やっぱりこの色無地も、袖付寸法が21㎝しかありませんでした。

どんな着物でも、腕を上げ下げすれば、どうしたって胸紐(帯)の上に布が出ます。
身八つの上の布地

 

それが、袖付寸法が短い場合は、下の写真のように「布地が置いていかれる」感じになるので、よりたくさんたるんでいるように見えるわけです。
袖付が短い時

もしもピンク〇印の部分が袖に縫い留めて合ったとしたら、袖側に引かれる分だけ、たるみとしては少なくなる・・・・・・ってことですね。

更に言えば。 袖付が短いと身八つ口の位置が高くなるので、その分胸紐から外れやすくなり、結果的に身八つ口がカパッ~と大きく開いてしまうんですよ!
身八つ口の開き

 

ねえ? いくら脇の下の身八つ口を合わせて閉じても、すぐに「パカーッ!」と開いちゃうのはどうしてなんだろう???・・・・・・・と不思議でしたが。

胸紐は、身八つ口の真ん中あたりにかかっていないとダメなんですね。  身八つ口が紐から抜けたら、開いちゃうんです。

袖付が長くなったら、たるみが目立たなくなり、身八つ口がパックリ開かなくなった♪

和裁の先生が袖付を長く&身八つ口を下へ縫い直してくださったので、袖を上げてもたるみがあまり目立たなくなりました。 身八つ口も開かない~(笑)
袖付ながく

 

胸紐の上に身八つ口を出してみる。

試しに、わざと胸紐の上に身八つ口が出るまで引き出してみると。
身八つが開く

身八つ口、ぱっくり。

身八つ口に胸紐がかかっていれば。

身八つ口に胸紐がかかっていれば、たるみもすっきり♪
胸紐かかっている

 

脇の下の着物や浴衣のたるみ。まとめ

以前、着物雑誌「七緒」で『胸元にたるみができるのは、袖付が短いのかも?』と読んだことがあるのですが。(どの号か?は忘れました。)
たった2cm程度でこんなに違うとは、ビックリでした。

 

今回いろいろやってみて、袖付が短いというよりも「身八つ口が胸紐から抜けると、身八つ口が開いて、だらしないたるみが大きくできる。」ということがよくわかりました。

袖付を長くするには、4カ所縫い直しをしないといけないですし、その分身八つ口を下に移動させるには、さらに4カ所解いて始末をしないといけない訳なので。
これは、なかなか大変な作業であると思います。 キレイに直してくださった、和裁の先生に大感謝です!

ということで。
脇のたるみや、閉じても閉じても開く身八つ口が気になっていらっしゃる方は、袖付寸法と身八つ口と胸紐をチェックしてみてくださいね。

もちろん、身幅・抱き幅などが原因の場合もあるかと思いますけど。
場合によっては、胸紐の締め方を変えるだけでも、改善できるかもしれないですね。

◆和裁のお話はこちらから。
和裁塾 トップ