男の浴衣(ゆかた)の着こなしに必要な「部位の名称」~キモノ-着るなら.浴衣~

メンズ浴衣(ゆかた)の名称。男物きものの図解で、基本的な用語を覚えておこう!

■男性の浴衣(ゆかた)を着るために必要な「基本的な名称と用語」の解説


 

メンズ浴衣の身丈(みたけ)

男物の着物は、着丈(きたけ)いっぱいに作るので、身丈と着丈がほぼほぼ同じになります。 身丈は着物の肩山から裾までの長さのことで、着丈は着物を着た時の長さのことです。

着丈と身丈

一般的に「身長マイナス25~30cm程度」が目安とされていますが、体型(肉付き)によっても変わってきます。  男物の着物は簡単に長さの調節ができないので、市販品(仕立て上がり)の浴衣を購入する際は「身丈」が合うものを選んでください。

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メンズ浴衣の裄丈(ゆきたけ)

裄丈(ゆきたけ)とは、肩幅+袖幅の長さのことです。 単に「ゆき」と呼ぶこともあります。

メンズ浴衣の裄丈

測る時には、上写真のような「気をつけ」ではなく、手を斜め45度くらいにおろして(開いて?)採寸します。 採寸の仕方と「浴衣の理想の裄丈」は別ページでご覧ください。

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メンズ浴衣の身幅(みはば)

身幅とは、ジャストサイズの浴衣であれば、正面から見た時に「脇縫いから脇縫いまで(腰骨~腰骨)」の長さになります。 おへその下あたりで、大体「衿巾+衽巾+前巾」くらいの長さですね。 

身幅

身幅が広いときには、前の身幅(前巾)を合わせてから、余分を下前の奥に折り返すようにしてしまい込みます。  その際、背縫いが背中心から右に寄ってしまうことになりますが、腰紐から上(上半身)がきちんと背中心=背縫いになっていれば、下(下半身側)は多少ズレても構いません。  ただし、背中心が脇までくるようでは大きすぎます。

仕立て上がりを購入する場合は、ヒップサイズ(またはウエストサイズ)を目安にしてください。

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メンズ浴衣の袖丈(そでたけ)

男性が浴衣を選ぶ場合に、「袖丈(そでたけ)」は気にしなくて良いと思います。

 

袖丈

「夏着物」として長襦袢を中に着るのでしたら、袖丈寸法ははとても大事になりますが。(着物と襦袢の袖丈を 合せる必要があるから。) 浴衣の場合は襦袢を着ないので、身丈に合わせて割り出してある寸法で問題ないです。

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衿と掛衿(共衿)

メンズ浴衣の衿は「棒衿(ぼうえり)」と言って、衿先まで幅が同じ衿が付きます。  衿の真ん中に「カバー」のように掛けてあるのが「かけえり」で、共衿(ともえり)とも呼びます。

掛け衿は、衿が汚れたり・擦り切れたりした際に、掛衿を外して「下の衿の生地と差し替える」ことで長く着ることができるという「汚れ防止策」なんですが、 着付においても重要な役割を果たします。

棒衿

浴衣を着る際、上写真(向かって右)のように【前で衿先を左右同じ位置になるようにして持ってから、掛衿の位置を合わせて片手に持ち替え、もう片方の手で背縫いを引く】ということを してみてください。 「背中の真ん中」にきちんと背縫いがくるはずです。

上半身の真ん中にゆかたの背縫いが無いと、とても格好が悪く見えますので、衿先・掛衿の確認は大事です。

また、衿丈が短くて、衿先が腰紐にかからないような場合には、着くずれしやすくなるので要注意です。
男性は、左右の腰骨と「へそ下3寸」の下っ腹で紐を締めますので、衿先がしっかり紐にかかるサイズの浴衣を選んでください。

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裾線(すそせん)と褄先(つまさき)

浴衣の裾の位置を「裾線(すそせん)」と呼びます。 裾と衿下の角は「褄先(つまさき)」です。

裾線とつま先

和服は「褄上がり」で着ると、着姿が「裾つぼまり」となってキレイに見えます。 下の写真(向かって右)の後ろ姿で、ちらりと上前の褄先が三角に見えていますが、 この三角が見える状態が「裾つぼまり」です。

男性の場合は、対丈(ついたけ)で着るので、あまり意識しませんが。 サイズが大きめの浴衣や、裾が開いてしまう場合は、腰骨の位置で褄を少し上げると良いです。  あまりつぼめてしまうと歩きにくくなりますが、シュッと細くスラリとした印象になります。

褄上がり

後ろから脇縫いまでは裾線を意識して、しっかりと長さ(身丈)を取ります。 前は脇できゅっと引き上げる感じ。 この際下前が上前の下から出ないように、下前の方を 多めに上げます。

女性の場合は、上前は下前の「上げ幅の半分くらい」と言われていますので、下前の褄先を14㎝上げたら上前は7㎝くらいというイメージです。  男性はそこまで上げなくて良いのですが、気持ち「褄上がり」を意識すると、すそが開かずこなれて見えます。

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メンズ浴衣の内揚げとは?!

着物の内揚げとは、帯の下に隠れるあたりにとる「身丈調整のための揚げ」のことです。 男物は「裾上げ」ということをせずに、身頃の「内揚げ」で長さを調節します。

メンズ浴衣の内揚

腰紐を前下がり後下がりで締めるため、前身頃と後身頃では内揚げを取る位置が違います。 下の写真は、メンズ浴衣の仕立ての途中(脇縫いあとの始末)で撮ったものです。

うちあげ

反物の長さによっては、内揚げを取らずに(長さが足りない・布地の節約など)仕立てることもありますが、内揚げで身丈出しをしたり、裾が擦り切れた時に裾の上げ直しをすることができます。

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メンズ浴衣の上前と下前

和服は男女ともに、右前(左肩の身頃が上側)に着ますので、右身頃を下前(したまえ)、左身頃を上前(うわまえ)と呼びます。

下前と上前

下前と上前が左右逆になると「左前(ひだりまえ)」と言って「死装束(死んだ人に着せる着物)」となってしまうため、絶対に逆に合わせてはいけません。

なぜ左身頃が上に乗るのに「右前に着る」と言うのか?ちょっと不思議な気がするかもしれないですが、着物を身体に巻き付ける際に「右身頃から先に巻くから=右前」なのだそうです。  どっちが手前に見えるか?ではなくて、どっちを先に着付けたか?という手順の「前後(あとさき)」のお話だったんですね。

ゆかたを着た後で「あれ?合ってるかな?」と不安に思われた場合は、右手を懐に入れてみてください。 すんなり右手を「懐手」にすることができれば、大丈夫、右前で着れています。

右前

鏡を見ながら着付けると、慣れていても間違えそうになることがありますので、要注意です! 万一間違えて「左前」で着て出かけてしまうと、 「うわぁ~!あの人、衿が逆だよ。」と後ろ指をさされてしまいますので、出かける前に「懐手」をして、右前を確認してくださいね~ 

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