メンズ浴衣(ゆかた)の着こなし。カッコ良く見える着姿はサイズが大事!
■男性の浴衣(ゆかた)の着姿を格好良く見せるには?
浴衣(ゆかた)のサイズ選び。裄丈・身丈・身幅について。
■時々見かける「ちょっと残念なメンズ浴衣の着こなし例
※本ページモデルは、170センチ・58キロです。
画像浴衣の寸法【身丈(肩)、裄丈、前巾、後巾、衽巾の順で記載)】
- ・左(大柄):採寸中
- ・中央:138cm、67cm、22.5cm、29.5cm、16.5cm
- ・右(青色):146cm、70.5cm、25.5cm、31.5cm、15.5cm
メンズ浴衣の着こなし。身丈(裾長さ)は?
メンズ浴衣の裾の長さは、着姿で「くるぶしが見え隠れするくらい」が良いです。 短すぎると「お子ちゃま」みたくなりますし、長すぎると「なんだか野暮ったく」見えてしまいます。
浴衣に腰紐や帯を締めると若干裾線が上がりますし、腕を上げるとさらに少し短くなるので、羽織った時にくるぶしが隠れるくらいがちょうど良いですね。
一般的に、身長マイナス25cm程度が目安とされています。
背の高い人は要注意!短くなりがちなプレタの浴衣(市販品)
上の写真は、主人が若い頃に誂えた浴衣なので「プレタ(市販品)」ではありませんけど、短い浴衣の例として息子に着てもらいました。
見ておわかりになるように、浴衣の裾線がスネの半分くらいの長さでは短すぎます。 着物にブーツを履いたりするのでしたらこうした着方もアリかもしれないですが、浴衣で「ツンツルテン」はちょっと変です。 「やっこさんみたい」とか「バカ〇ンみたい」と、揶揄されてしまいそうです。
女性浴衣の場合でしたら、「おはしょり」である程度の長さ調節が可能なんですけどね。
男性の浴衣は「対丈(ついたけ)」と言って、おはしょりを取らずに身丈と着丈を同じにして作るため、裾をひっぱってみたところで浴衣が長くなる訳でもなし、 身長を低くできる訳でもなし、きちんと長さを考えて買うしか方法がないのです。
大人の事情? モデルさんの着こなしが「短い」こともあります。
たまに、浴衣の商品画像の「モデルさん」でも、「あれ?ずいぶん短いんじゃない?」と思うことがあります。 『毎回、浴衣のサイズに合わせて、モデルさんを呼ぶって訳にもいかないんだろうなー』なんて、 裏事情を思いやったりしちゃうんですけど~
長身のモデルさんが、短い浴衣を「素敵っぽく」着ている画像を見ても「なるほど、浴衣の丈はこのくらいでいいのか~」と誤解しないでくださいね。 その結果、バカ〇ンみたいな 浴衣の着方になってしまったのだとしたら、それはとても残念なことだと思いますので。 ぜひ「大人の男の浴衣は、くるぶしにかかるくらいの長さがカッコ良い」と覚えておいてくださいませ。
身丈は体格や履物にも左右されます。
「身丈は身長マイナス25cm程度が目安」と書きましたけど、恰幅の良い人は痩せている人よりも短くなります。 肩や背中の厚みやお腹の出っ張りで、布地が取られてしまうからです。
また、下駄や雪駄など履物によっても「見た目の長さ感」は左右されます。 高さのある履物の方が若干裾が短く見えるはずです。
購入された浴衣の身丈が「長い・短い」という場合には、履物もご一考になってください。
裄丈(袖長さ)は?!
メンズ浴衣の裄丈(手の袖の長さ)は、手を45度に下ろした時に、手首の骨にかかるくらいが良いです。
小指側の出っ張った骨が全部隠れてしまうのは長すぎ。 4~5cm短いくらいは許容範囲とされていて、 長すぎるよりは短い方がマシ……と言われています。
上の写真は手が45度まで上がってないので、実際はもう少し長くなると思いますが、それでもやっぱり少し短い。 「おかしいからダメ」というレベルではないですけどね。 下の写真くらいあれば良いと思います。
買った浴衣の裄丈が合わない時には。
買った浴衣の裄丈が足りない時には、極力「腕を肘で曲げる。にょっきり伸ばさない」と気を付けていただくといくらかマシです。 肘を曲げると、裄丈が短いことを多少はごまかせますが、 さすがに限界はありますので、写真を撮る時などの応急処置と思ってください。
裄丈が長すぎる場合には、袖付を外して「裄直し」をすることで短くできます。 工賃は、安いところで「4000円ちょっと」くらいと思いますが、プレタの浴衣なら買い直した方が安いかもしれないですね。 単衣仕立ての浴衣なので、割と簡単にできるお直しですから、お裁縫の得意な方にお願いするという手もあります。(お礼で逆に高くつくかも?)
逆に、裄直しで「裄出し」できるかどうか?ですが、長くする場合には「袖付の縫込み」があるかどうかにかかっています。 縫込み(縫い代)が多めになければ丈を伸ばすことはできませんので、 諦めるしかなさそうです。
浴衣の身幅(みはば)は?!
浴衣の身幅は、正面から見て脇から脇までくるくらいがベストです。
多少大きい場合は、下前に入れ込んで調節します。 巻きこんでしまうと歩きにくくなってしまうため、身体の左脇で手前に返して、身幅の余分を上前と下前の間に畳んでおきます。
上前・下前の身幅は、腰骨の脇まで衿先がくるくらいに取り、腰ひもを締めます。 その際、右の脇線が上前の衿下と重なるくらいだと、ちょうど良い身幅の浴衣となります。 3㎝程度のズレは問題ないですが、あまりに右の脇線が前にきてしまう場合は大きすぎです。
浴衣の身幅が小さい場合は、はだけやすくなります。 まず上前がきちんと取れるかどうか?が重要です。 左の脇線が腰骨よりも前にきたり、 上前の衿先が腰骨に届かないのでは、「いかにもサイズが合っていません」というように見えて、格好が悪いです。
上前がギリギリ取れて、下前の衿下が体の中心よりも左側まできてくれれば、なんとか着られるかなと思いますけど。 その場合は力布を付けて、前が割れにくくした方が良いかもしれません。(今度書きますね。)
メンズ浴衣を買う時の注意点
メンズ浴衣の購入についてですが、仕立て上がり(プレタ)の浴衣のサイズ表示は【S/M/L・・・】などの場合が多く、身幅(衽巾・前巾・後巾)などは記載されていないことが多いです。 ヒップ(またはウエスト)サイズが明記されていれば良いですが、身丈・裄丈・袖丈しか書いていないことが多いので、恰幅の良い方はご注意ください。 身幅が足りないかもしれません。
ネットで購入する場合でも、一度どこか実店舗で試着しておくか、ご家族(もしくはご友人)がお持ちの浴衣を着てサイズを確認してみると良いと思います。 着てみることで、ご自身に合う浴衣の寸法がわかりますので、一番近いサイズ感の浴衣をお買求めになってください。
ジャストサイズで着るのが一番良いのですが、お誂えする場合は「反物+仕立て代」がかかるので、市販品のように安く買うことはできません。(自分で縫えれば別ですが)
■反物だけなら、リサイクル店・ヤフオク・骨董市などで1000円くらいから入手可能~♪ 呉服店などの上質な反物は高価です。
また、浴衣をお誂えで作る場合は、工期が結構かかりますので、注文してすぐに着ることはできません。 (仕立て代が安くあがる海外仕立ては、2ヵ月くらいかかることもあります。)
「メンズ浴衣」は、柄・色・素材感といったデザイン的なことも大事ですが、何よりも「サイズが合っているかどうか?」で、見た目の「素敵度」が大きく違います。 ぜひ、ご自身に合ったサイズの浴衣で、カッコ良く着こなしてくださいね。
■メンズ浴衣を買うには?おすすめの購入場所については、別途書きます。
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