子供浴衣のサイズ合わせ。肩揚げをする。
子供ゆかたは肩揚げで袖の長さ(裄丈)を調節します。簡単な肩揚げのやり方とサイズ合わせのご紹介です。
肩上げ(肩揚げ)の縫い方
まずは正しい肩上げの縫い方を動画でどうぞ。 和裁教室の先生にサッカー生地の綿浴衣を肩上げしていただきました。
◆【子どもの浴衣】肩上げ(肩揚)のキレイな縫い方~和裁師直伝
肩上げのやり方はいろいろな方法があります。 この「上げ山にしつけ糸でしるしをつけて→マチ針を二つ目落としの間隔で打って→縫う」というやり方が、1番簡単でキレイに縫えるのではないか?ということなので、 動画用に教えていただきました。
動画では、6~7歳サイズ(裄48cm)を4~5歳サイズ(裄42cm)にしています。 お持ちの浴衣とお子さんのサイズに合わせて、臨機応変に「上げ幅(つまむ寸法)は変えてください。
サイズの決め方は、本ページの以下を参考にしてみてくださいね。
上の肩上げ動画の中で「前身頃の1cm斜めに縫うところのたるみの取り方」がわかりにくくなっていて、ごめんなさい。 姉妹サイト「お祝いの着物」の『七五三・一つ身の肩上げ』ページに詳しい動画をアップしていますので、こちらをご覧ください。
七五三・一つ身着物の肩あげ
「一つ身着物」の肩あげについてです。自分でできる!身上げ・肩揚げの方法をご紹介します。
肩揚げとは?!
肩揚げ(肩上げとも書く)は、子供の着物の裄丈 (ゆきたけ) を調節するための「肩のつまみ(タック)」です。
だいたい十三参り(数えの13歳・満12歳)くらいまでは肩揚げをすると言われているようですが、厳密な決まりはありません。 特に浴衣は、超カジュアルな普段着ですから、フォーマル着物にあるような和服のしきたりは気にしなくても大丈夫です。 どうせ買うなら、大きめなサイズのものを買って 肩揚げ・腰揚げを調節しながら、長く着るのが良いですね。
ワタシの母は「だいぶ大きな浴衣を買って、肩揚げ・腰揚げをたくさん取って。 毎年少しづつ揚げを下ろして、最後は全部解いてしまっても つんつるてんになっちゃうくらい。 そうね、4年くらいは着せたかしらね。」と言っていました。
さすがに4年は無理があるように思いますが、翌年くらいは確実に着てもらいたいところですよね。 始めからジャストサイズで買ってしまうと、 翌年にはすでに小さくなっていますので、大きめサイズを買いましょう。
肩上げとは|きもの備忘録
着物>部位名称>かたあげ(肩揚げ・肩上げ)
かたあげ(肩揚げ・肩上げ)について
お子さんの裄丈(ゆきたけ)を測ってみる。
背骨の骨のグリグリから手首の骨のグリグリまでの長さを「裄丈(ゆきたけ)」と言います。 浴衣のお袖の長さです。
下のイラストには「手首の骨が隠れるくらい」と書いていますが、浴衣は普段着なのでもうちょっと短めで良いです。 骨に少しかかるくらいがベストで、それより 2~3㎝短くなっても大丈夫と思います。
■裄丈の測り方
小学3年生・お洋服は120サイズの姪は、だいたい53~54cmくらいの裄丈でした。
お子さんが幼ければ幼いほど、裄丈の短さは気にならない気がしますが、小学生になったらあまりつんつるてんではかわいそうかな。 長すぎるよりは、短い方が良いとは思いますけど。 なるべくベストな裄丈で着せてあげてくださいね。
浴衣の裄丈を測ってみる。
浴衣の裄丈を測ってみましょう。
背縫いから袖口までの長さが浴衣の裄丈です。
本記事で使用しているのは、きもの館 創美苑 さんの子供キッズ浴衣(ゆかた)3点セット です。(※レビュー用に頂戴しました)
浴衣の商品タグには「裄丈58cm」となっているので、これは肩揚げを外した時の寸法ですね。
実際には肩揚げが1.5cmほどつまんであるので(揚げ幅3cm)55cmとなっている訳です。
浴衣の肩揚げを簡単に上げる。
姪の裄丈が54センチで、浴衣の裄丈が55センチでしたので。 このまま着せてしまおうかなー?と思って、羽織らせてみたところ。
あらら・・・ もともとの肩揚げは、仮縫いであったんですね。 縫い目がザックリすぎちゃって着せるとタックが開いてしまいますので。
「どうせ縫い直すならもう少し上げておこう」と思いまして、仮縫いの内側1センチのところを、もっと細かくママに縫ってもらいました。
※本来肩揚げは、二目落としという縫い目で縫いますが、浴衣なので縫いやすいやり方で良いと思います。こだわる方は冒頭の動画を参考に、 二目落としでどうぞ。
■二目落としの縫い目
仮縫いの内側1センチをつまんだ(上げ幅2センチ)ので、結果的には裄丈53cmで仕上がって、ちょうど良い感じの裄丈になりました。
浴衣の肩揚げ。裄丈を伸ばす場合。
今回は、55㎝の裄丈を53㎝と短くしたので、もともと縫ってあった仮縫い肩揚げの1㎝内側を細かく縫い直したわけですが。 もしも、55㎝の裄丈を57㎝と長くしたい場合には、内側ではなく1cm外側を縫ってください。
現実的な話をすれば、今回の場合肩揚げを外してしまって58㎝なのですから、5mmだけ肩揚げをつまんで57cmにするというのも、なんだか手間のかかる 話ですよね。
それならいっそ、肩揚げなしで着てしまっても良いだろうと思いました。 本来子供の着物は肩揚げをして着るということになってはいますが、前述したとおりホームウエアの浴衣ですから~
「もしも140サイズの浴衣であったならば?」と思って、創美苑・ハイジュニア(140・150サイズ:11歳~)の裄丈を確認してみましたら。 140サイズで裄丈63cmになっていました。 しかも、140・150サイズになると肩揚げ腰揚げはもともとされていないそうです。
創美苑子供浴衣:ハイジュニア(140㎝~)
ハイジュニになるともうすっかり大人ですね。
3年生の姪に140サイズの浴衣で調節できないことはないと思いますが、裄丈63(140サイズ)だと10㎝上げる(5センチつまむ)ことになるので、結構タックが大きくなってしまいます。 5㎝くらいなら許容範囲とは思いますケド。
あまり肩揚げのつまみ幅が広くなると、見た目が格好悪くなってしまいますので、タックの後ろでWタックを取ったりすることもあるんですけど。 (後述します。) それもなんだか面倒 な話ですよね。
ということで「洋服120サイズの姪に130サイズの浴衣をいただいたことは、正解だったなー」と思いました。 今年・来年と、イイ感じのサイズ感で着れそうですから。
肩上げをたくさん上げたい場合のやり方
まずは、「浴衣の肩上げはMaxでどのくらいまで取れるのか?」というお話です。
例えば下の画像の浴衣の場合、衿付けと袖付から1cm内側に入った長さが約14cmです。 これがマックスの上げ幅になります。
両端を1cm開けるのは、縫ってあるところのギリギリを縫うのは縫いにくいので、避けるためです。 この場合、7㎝つまむことができるという訳ですね。
その場合、肩上げのタックが袖付を超えて袖に乗ってしまうのではないかと思いますが、それはそれで気にしなくても良いそうです。 あまりにたくさんつまんでしまうと、 なんだか「裃(かみしも)みたいになっちゃいますが、それがダメということはないようです。
肩上げをたくさん上げたい場合のやり方
「裃っぽくしたくない!7cmよりももっとつまみたい!」という場合には、どうするか? タックを2回W(ダブル)で取ります。
ダブルタックの取り方
1:裏に返して、裏側で肩揚げをつまむ
表に返すとこんな感じ。
2:表側でもう1回肩揚げをつまんで縫う。
ポイントは、表で肩揚げをつまむ際に、裏で取ったタックを中に入れ込んで肩上げを取ること。 その際、肩上げタックを倒す方(下側)に裏で縫った縫い線がくるようにします。 少しキセを取って、表から見た時に上げ山が1つに見えるようにしてください。
こちらが表からみたWの肩上げです。 見やすいように袖幅の真ん中に上げ山を取りましたけど。 実際は、肩幅の真ん中に取るようにしてくださいね。 (多少左右どちらかに寄っても大丈夫です。)
Wタックは、浴衣の布地(素材)によっては、もったりと厚くなることもあるし、見た目もボテッとしやすいため、少しくらい裃チックになったとしても、 1回で上げてしまう方がオススメではあるそうです。
1回では上げきれない場合(本ページ動画使用の浴衣の場合は、14㎝以上上げたいとき)に、試してみてくださいませ。
ちなみに子供の浴衣の場合には、肩揚げと一緒に腰揚げもした方が良いと思います。 腰揚げの仕方はこちらでどうぞ。
子供浴衣の腰揚げ
大人は紐で上げますが、子どもの場合は腰揚げを縫って付け紐で着ます。
肩上げ(肩揚げ)の関連記事
【こどもの浴衣】浴衣の肩上げ
以前書いた子供浴衣の肩揚げについての記事です。2WAYゆかたを、簡単な方法で縫っています。
一つ身着物の肩上げ
お祝いの着物・七五三ページで、一つ身の着物の肩揚げを説明しています。動画あり。一番詳しく肩上げのやり方を書いた記事です。
七五三着物の肩上げ
以前書いた七五三の晴れ着の肩揚げについての記事はこちら。