浴衣のおはしょりが長くて着にくい場合の着付け方。着丈の長い浴衣を楽に着る方法。
浴衣の裄丈は合っているのに、着丈が長すぎるという場合。 例えば、160㎝くらいの方が165㎝以上身長のある方向けの「トールサイズの浴衣」を買ってしまった時ですね。
着丈が長くても裄丈が合っていれば、問題なく着ることができますが、おはしょりがたくさん余ってしまう浴衣は着づらいと思います。 ですので、そんな時には腰ひもの上にもう1本紐をかけてみてください。 おはしょりの処理が楽になると思います。
おはしょりが長すぎて困る時には、腰ひもの上にもう1本紐をかけてみましょう。
腰ひも2本で、長いおはしょりを上げやすくする方法。
1:まずは普通に1本。 腰骨の位置に腰ひもをかける。
「ちょっとおはしょりが長めかな~?」程度でしたら、この腰ひもの位置を通常より上め(腰骨の上・おへその上あたりが一般的な位置)にするだけで良いです。 それでも 長くておはしょりの始末がしにくいという時には、2本目の腰ひもを試してみてください。
2:2本目の腰ひもを、胸の下にかける。
2本目の紐の位置は、おはしょりがどのくらい長いのか?にもよるかとは思いますけど。
あまり最初の紐に近くても意味が無いですし、胸の上に紐が乗るのはよろしくないので、アンダーバストと最初の紐の間で
お好きな位置に2本目の紐をかけてください
上の写真では、アンダーバストの位置にかけています。 肋骨の上できつく紐を縛ると痛いですし・息苦しいので、あまりきつくしなくて良いです。
2本目の紐をかける前に、紐の位置にたるんでいる浴衣は、すっきりと胸の上の方までたくし上げておいてください。 くれぐれもぐしゃぐしゃの状態で紐をしないこと。 前も後(背中)も、キレイにしてから紐を締めてください。
背中は紐が下がりやすいので、意識して高めにどうぞ。 ※マネキンの写真は、前より後ろの紐が下がってしまっています。
胴に補正タオルを巻いておいた方が、紐の食い込みや位置が下がるのを防げるのでお勧めです。
3:たくし上げた身頃を下ろして、手刀を入れる。衿を整える。
2本紐をかけたら、たくし上げていた身頃を下ろして、おはしょりに手刀を入れます。
「手刀・てがたな」というのは、身八つ口から両手を浴衣の中に入れて、袋になったおはしょりの底の部分(オレンジ線のところ)を、手の小指で「チョップ」する ようにして、しごくようにおはしょりを整えることを言います。
たるみがない状態に、おはしょりをスッキリ「おろす」ためにやります。 前も後もやってください。
この時、あまり力を入れてチョップすると、2本目の紐が少し下方向に下がってしまうかもしれないですが、最初の腰ひもさえしっかり締まっていれば、 2本目は少しくらい下がっても大丈夫です。 あまりに下がってしまうようだと、緩すぎですね。 2へ戻って、締め直しておいてください。
腰ひも1本の場合と2本の場合で、おはしょりの長さを比べてみました。 2本目の紐を背中でもっと上になるようにかければ、背中側ももっと上がると思います。 (少し下がってしまいました。)
おはしょりは2枚下ろしたままで伊達締めをかけてもOKです。
腰ひもを2本つかっておはしょりを下ろした場合、おはしょりがそのままでもキレイなのであれば、無理に「下前のおはしょりを折り上げる」ということをしなくても構いません。
おはしょりを上げる理由は主に以下の3点かと思いますけど。 この3点が気にならなければ、無理に上げる必要は無い訳ですね。
- ・おはしょりの長さが長すぎる。
- ・おはしょりが斜めに下がってしまう。
- ・おはしょりがブワブワと厚ぼったくなる。
実際ワタシが習った着付の先生は「ゆかたは薄いから、無理におはしょり上げるなんてしなくていいわよ。」とおっしゃっておられました。
ゆかたの生地質や生地の厚さにもよりますが、最近の浴衣は薄手なものが多いですから。 2枚(上前と下前)のままでブワブワ・モコモコと見苦しいことにならなければ、そのまま下ろしてしまって良いと思います。
また、おはしょりが右斜めに下がるというのも、「舟形」と言って本当はまっすぐに直す必要はないと教わりました。
ですので、おはしょりを上げるのが難しい場合には、着付け初心者さんはこのまま、胸紐か伊達締めをかけて帯結びへ進んでも構いません。
※おはしょりを上げる場合には、胸紐→伊達締めと2本かけますが、おはしょりがそのまま下ろすなら伊達締めだけでOKです。
※上の写真は、補整や和装ブラを使っていません。
お使いいただいた方が、キレイに着れますので念のため。
おはしょりを上げる場合の「折り上げ方・長さの調節の方法」についても書いています。 よろしかったら合わせてご覧ください。